気づけば自由とは何かという問いを考えつづけているように思う。
そしてそこにはいつも矛盾があった。
この映画をつくるにあってもやはりその問いと向きあうことになる。

「熱」に出会う。
「熱」とは夜の光、歩く力、生きること…
「熱」をもってして矛盾の遠くむこうにある自由を見ることができるかもしれない。
最大熱量をこの作品に費やすことは僕のみならず、交わった多くの方々もそうだろう。
食って、寝て、考えて、動く。
「熱」の蓄積と開放。
映画「新しき民」はそのことにおいて限りなく自由な映画だと思う。
たった280年前の一揆の映画。

監督・山崎樹一郎

山崎樹一郎(やまさき・じゅいちろう)

 

1978年大阪出身。岡山・真庭在住。農業を続ける。映画監督として『ひかりのおと』(2011)を製作。岡山県内51カ所巡回上映する一方、東京やロッテルダムの国際映画祭にて上映される。ドイツ・ニッポンコネクションにてニッポン・ヴィジョンズ・アワード受賞。また映画上映・製作グループ [cine/maniwa]として岡山芸術文化賞グランプリ、福武文化奨励賞を受賞。